伊藤雄哉,山西良典,加藤昇平:音楽ゆらぎ特徴を用いた楽曲印象の推定,日本音響学会誌,68(1),pp.16-21, 2012年12月

本研究では,人の感性評価に基づく要求に応じた楽曲検索技術を搭載した選曲システムのための要素技術として,音楽ゆらぎ特徴を用いた楽曲印象値の推定手法を提案する。本論文では,楽曲の時間経過に伴い変化する音量,音高,リズムのゆらぎ情報に着目し,音響信号解析により特徴を抽出する。一方,8対の形容詞対を尺度とするSD法に基づいた楽曲聴取実験により,楽曲印象値を7段階(-3〜+3)で抽出する。そして,正準判別分析,k-近傍識別法,サポートベクターマシン,アダブーストの四つの推定手法を用いて,音楽ゆらぎ特徴の楽曲印象値推定に対する有用性を検証した。また,得られた判別空間より楽曲印象値の推定に影響を与えるゆらぎ特徴を確認する。