ネットいじめに関わる悪口投稿を防ぐためには,情報システムによるフィルタリングだけでなく,投稿者自身の判断により取り下げることも必要と考えられる.本論文では,Web アンケート調査結果を分析することで,相手の立場に立ち考えることを促すセルフトークメッセージの悪口投稿の取り下げの効果を検証する.Web アンケート調査では,グループチャットを行なっている時に,回答者が悪口を投稿しかけている状況を仮定し,悪口投稿の種類,メッセージ内での悪口部分の具体的な指摘の有無と条件を変え,セルフトークメッセージを呈示した時に取り下げるか否かを質問し,回答を得た.セルフトークメッセージは回答者の立つ立場を変えた 4 種類を用意した.アンケート調査結果を分析した結果,2 つのことが分かった.(1) 露骨な悪口に対し,メッセージ内で悪口部分の具体的な指摘をすることは取り下げに効果がある.(2) セルフトークの内,グループチャット内の悪口の相手の立場に立ち考えるメッセージの取り下げ効果が高い.