【雑談】海外出張 AFTER COVID-19

記事執筆時(2022/09/14)、日本もだんだんとCOVID-19への対応が変化してきました。接触通知の停止や入国での審査の緩和など、様々な転換期にいます。まさにその転換期に海外出張をしてきた記録を残したいと思います。主に、観光というよりは、旅程に関して変わったことや感想など。

旅の当初の予定

今回の国際会議はイタリア北部、Veronaという都市で開催されました。実は、この会議は2020の開催地だったのですが、2020はまさにイタリア北部は被害甚大な地域ということで当然ながらオンラインに移行。小さな町に教会がたくさんある、素敵な場所でした。

原稿提出が3月で、この時点で「海外の様子を見ていると日本の規制も8月までだろう」と予測をして投稿。参加申込みが6月頃で、「9月ならば、規制もさらに緩和されるだろう」ということで、現地参加で登録。飛行機を購入。ただし、この時点では、「帰国便の搭乗72時間前のPCR検査」が帰国には必要とされていました。

出張申請時の、もともとの日程は以下の通りでした。
9月5日 夕方に伊丹出発、羽田から成田へ移動、深夜に成田発
9月6日 カタール航空でDoha経由、Milanへ
9月7日 MilanからVeronaへ鉄道で移動、会議期間開始
9月8日 会議
9日9日 会議、Milanへ移動
9月10日 PCR検査
9月11日 PCR結果待ち
9月12日 夕方にMilan発、カタール航空でDoha経由
9月13日 夕方に成田着、羽田へ移動
9月14日 羽田から伊丹へ移動

入国前PCR検査の緩和

8月24日に、CEDEC2022で講演後の飛行機で「9月7日からは、ワクチン3回接種者は帰国時のPCR検査の結果は必要なし」という規制緩和が発表されました。これは朗報。PCR検査待ちのために準備していた日程がフリーになりました。さっそく、mySOSアプリに今回の出張についてや、ワクチン接種証明書のPDFなどをアップロードすると、以下のような画面に。

出発

国内線を移動するときには、あまり感じなかったけれど、成田空港に着くと「人がいない」。これが本当に座る場所がなくて困っていたラウンジなのかと思うほど・・・シャワーも簡単に予約できてしまう。

Dohaに到着

Dohaでは、成田空港からは想像できないレベルでたくさんの人が!マスクをしていない人を結構見かける。ラウンジ内でのマスク着用率は20%くらいでしょうか。マスク着用している人はアジア人だけかな?という感じでした。

Milan到着

Milanへ到着。単なるパスポートの審査のみで、他の書類などは全く必要ありません。前までと同様に日本パスポートは本人確認だけをして、入国。超スムーズ!結構、いろんな国の人が出入りしていることがわかります。

市内へ移動。鉄道内はマスク推奨ということでしたが、市内の駅に到着すると、そこはもう別世界。完全にCOVID-19前の世界が広がっていました。マスク着用率はおそらく1%切っているのでは。僕が知っている「普通」の世界が戻っていました。市内にアジア人は殆どいない状況でしたが、完全に夏休みの旅行シーズンを感じさせる賑わいでした。

7日をすぎると、mySOSの画面が以下のように青色に変化!これで帰国難民回避の安心が得られました。

滞在中は毎日、帰宅後にイソジンでうがい&鼻うがいで感染症対策に努めます。

帰国に向けて

空港でチェックイン時に少しだけドキッとすることがありました。
日本のパスポートを見せると、「COVID-19についての検査を受けたか?」と。完全に安心しきっていたので、「え?検査?」と聞き返すと、「日本に帰るためには検査が必要でしょ?」と。

「9月7日以降は、ワクチン接種していれば検査は必要なくなったんですよ」と説明すると、「それではワクチン接種の証明書を見せて」と言われました。市役所に問い合わせて取得していた紙面を見せると「OK・・・2回・・・いや、あなた、3回も打っているのね。OK。」ということでチェックイン成功。

英語が苦手な人は、もしかすると最初の「検査結果が必要」でビビってしまうとトラブルの元になるのかも?と思いました。まだ、制度が変わったばかりなので、空港のチェックインスタッフも把握しきれていないのでしょう。そういった規制をしている国は既にほとんどないわけですし、他の国の規制情報なんてなかなか把握していないと思います。特に、今は日本人の旅行者は減っているわけなので。

入国審査

日本に飛行機が到着すると、何人ものスタッフが乗客を案内(と言う名の監視?)して、入国審査までをガイドしてくれます。なぞの椅子が並べられているところがあり、これはもしや、以前は入国時の検査のために使われていたのか?と感じさせました。

まず、「次のチェックポイントでmysosの画面を確認します!アプリを用意してください」と言われます。歩いていくと、アプリの画面をチェックされ、青色を確認すると青色の紙を渡されます。どうやら、青色の紙を持っているかどうか、でアプリを見なくても「青色」の入国者であるかどうかを歩いている間に外から確認できるようにしているようです。青色の紙を持っている人かどうかで、歩くルートが分けられます。

マークがかっこいい。飛行機、船、鉄道の全てが融合したロゴデザイン。

周りを見てみると結構アプリの画面が赤色の人とかも多くて、「これって同じ飛行機に乗ってたわけだから、ここで分けることに本当に意味があるのか?」とmySOSの存在価値すら怪しく感じてきます。

しばらく歩いていると「次の場所でパスポートとアプリのQRコードを確認します」と言われます。しばらくいくと、入国審査と同じようなデスクがあり、ここでは、mySOSの左下にあるワクチン接種情報などを登録したのと同じボタンを押すと出てくるQRコード、飛行機の半券、パスポートを見せます。

あとは、完全に以前の入国審査と同じで日本パスポート所持者は自動審査ゲートを通っての入国でした。ちなみに、僕はここで、青色の紙をパスポートと勘違いして、一瞬パスポートを忘れてゲートを出そうになってしまい、お声がけいただき、難を逃れました。手元がスマホ、チケット、青色の紙、パスポート、関税用の黄色い紙と両手よりも多くなるので、落としたり、忘れたりが発生しやすいと思います。面倒でもいちいち肩からかけるポーチなどにしまって出してを繰り返した方が良さそうです。

パスポート一瞬でも忘れるとか、初体験で自分でも驚いた。

荷物受け取り&税関

荷物の受け取りと税関については、COVID-19前と全く変わりません。単純に荷物を受け取って、税関の黄色い紙を渡してexit。

ここまで飛行機の着陸からかかった時間は20〜30分程度でした。アプリを見せたりで少しもたつきますが、ほとんどCOVID-19前と変わらない時間で空港を出られました。

感想

入国がmySOSアプリをインストールしていることが前提です。スマホが使えない≒もはや入国できないのでは。mySOSの存在を知らないと、その時点で入国審査で死亡確定なので日本入国者にはmustでインストールさせるような分かりやすいアピールが必要だなと思いました。

一方で、入国の処理自体はもはやCOVID-19前と同様のスピードで入国できるようになっており、煩わしさはかなり少なかったです。青色の紙も、手が塞がることは困りますが、歩いている途中でもアプリの画面を外部から確認する手段としてはフィジカルな対応も良いのではないかと思います。デジタルとフィジカルのハイブリッドな対応ということで、僕は適材適所だなと感じました。

最後にMilanの空港で見た未来を感じさせるダンス動画を。日本でも、みんながマスクをとって、こうやって楽しく過ごせる日々が早く来ますように。

written by Ryosuke “Leo” YAMANISHI, Ph.D.