漫画を読んだ後,登場人物の初登場シーンや活躍したシーンなどを再び読みたいと思うことがある.その際に検索エンジンで調べてしまうと,関係のない情報を知ってしまい,漫画の楽しみが減少してしまう恐れがある.漫画の内容検索に特化した検索システムやインタフェースは少ない.本論文では,既読部分であれば登場人物の出現頻度情報により,読者は漫画の内容を想起できると仮説を立て,登場人物の出現頻度情報を可視化し漫画の内容検索を支援するインタフェースを提案する.提案インタフェースでは,漫画の登場人物の出現頻度をセリフ数でカウントし,出現頻度の時系列情報を積み上げ面グラフで可視化する.提案インタフェースのユーザは,可視化された情報を見ることで目的とする漫画の内容検索を行うことができる.提案インタフェースを評価する実験で被験者に漫画を読んでもらった後,実験者が設計した検索課題に回答してもらった.提案インタフェースを用いて回答する実験群と,検索エンジンを用いて回答する統制群を設け,検索課題の正答率を比較した.実験群の平均正答率は81%,統制群は67%であった.統計的検定の結果,提案インタフェースは検索時に内容を明示することなく,内容検索の内,登場人物の活躍シーンの検索を支援できることが示された.